ファッションを仕事にしていた期間が長いこともあり、よく、「どういったファッション着ればいいの？」と言われます。
メンズファッションにも流行はありますが、レディースに比べると定番品が多いですよね。そして、定番品ほど、お得に手に入れたいと思うのがメンズ心。
ビジネスカジュアル全盛期の昨今、靴もどんどんカジュアルダウンしていっています。セットアップにスニーカーを合わせるなんて、20年前にはごく一部の人たちだけのファッションでしたが、今は完全に市民権を得ていますもんね…
とはいえ、ワードローブがスニーカーばかりになってはいけません。特に30代にもなると、冠婚葬祭に出る機会も増えますよね。冠婚葬祭だけは、フォーマルな服装で行くことをおすすめします。特に靴。スーツでごまかしても、靴がフォーマルじゃないと、見る人が見れば、「品がないな」と思われます。というわけで、冠婚葬祭に必要で、大人になったら絶対に1足は持っておきたい、フォーマルシューズについて解説します。
この記事を読んでほしい人
- オシャレには無頓着だけど、清潔感や小綺麗さを求める大人の人
- 30歳すぎて、今までの洋服は似合わなくなったな…と感じているおじさん
- とにかくコスパがいい名品を知りたい、というおじさん
>>>ビジネスカジュアルにぴったりな靴についての解説はこちら
1足は持っておきたい、「内羽根ストレートチップグッドイヤー製法」の革靴とは？
冠婚葬祭にも使える（というか冠婚葬祭には基本的にこれ以外を履いていくのは難しい）靴、それは、
「内羽根ストレートチップグッドイヤー製法」の革靴
です。
呪文みたいだな、と思うかもしれません。これは、靴の特徴を3つ掛け合わせたものになります。それぞれの要素ごとに見ていきましょう。
内羽根と外羽根の違いとは？
まず、内羽根と外羽根の違いから解説します。内羽根と外羽根の違いは、靴紐回りの縫われ方の違いになります。内羽根が、革靴を通す穴があいている部分（羽根）が甲の下にありほとんど見えないのに対し、外羽根は羽根が見えやすくなっています。
外羽根は甲の部分が完全に開くようになっており、内羽根は完全には開かないようになっています。たったこれだけの違いか、と思うかもしれませんが、見る人が見れば、全然違うものなのです。
内羽根がもともとイギリスの宮廷靴に由来するのに対し、外羽根はもともとプロシアの軍の靴に由来するものです。外羽根のほうがフィット感は得やすいのですが、基本的には、フォーマルなシーンでは内羽根を選ぶと良いでしょう。軍靴で冠婚葬祭ってなると、ちょっと違和感ありますしね…
ストレートチップとは？プレーントゥでもいいの？
ストレートチップとは、革のつま先のデザインをさします。下記の図のように、つま先の部分が一直線に縫われているデザインのことを指します。他にも、Uチップやウイングチップなどの種類や、逆に何もないプレーントゥのような靴もあります。
一般的に冠婚葬祭ではストレートチップもしくはプレーントゥ（何も縫われていないもの）が常識であり、それ以上のデザインはカジュアルなものとされています。結婚式にウイングチップで行くのはマナー違反なんですね。
グッドイヤー製法とは？マッケイとの違いは？
最後がグッドイヤーとマッケイです。実は、これは素人にはほぼ見分けをつけることはできません。マッケイとグッドイヤー（グッドイヤーウェルト）は、底の縫われ方になります。グッドイヤーは底と甲（アッパー）を直接縫わずに、コバと呼ばれる部分を使って縫い合わせているのに対し、マッケイは直接アッパーとソールを縫い付けています。
どちらがいいかというのは一長一短ですし、素人目にはわかりづらいのですが、よりフォーマルなのはグッドイヤーだと言われています。しかも、グッドイヤーのほうが使えば使うほどなじんできますし、底を張り替えることで長く使うことができます。
内羽根ストレートチップグッドイヤー製法の革靴、値段態別おすすめ
では、実際、内羽根ストレートチップグッドイヤー製法の靴は、世の中にどれくらいあるのでしょうか。
実は、結構なメーカーが、このタイプの靴を出しています。最もフォーマルなシューズですので、当たり前ですよね。ただ、一般的なゴム底の靴などと違って、工数や材料にお金がかかるので、それなりに値段が張るものが多いです。
このタイプの靴は、大人になれば冠婚葬祭などで一足は必ず必要ですが、逆にいえば、一足持っておけば、一生困ることはないのです。そういう観点で、ある程度お金を出すことが得策でしょう。今回は、その視点で、30代、40代男性が持つべき内羽根ストレートチップグッドイヤー製法の靴を、価格帯別に紹介したいと思います。
コスパ良しブランド編
まずはコスパ良し編から。服に興味がなくても、大人として1足は持っておきたいのがこのラインです。逆にいえば、このラインを持っておけば大丈夫です。1足アンダー5万円以下のものを選びました。
オーツカ：内羽根ストレートチップ
創業140年を誇る大塚製靴のブランド、オーツカ。百貨店などでも定番靴として売れています。日本で無骨な靴づくりをしてきており、クオリティの高さとコスパの良さには定評があります。あと、日本人が履きやすい靴っていうのも特徴ですね。
日本では宮内庁御用達シューズメーカーでもあります。アッパーの革部分のみならず底もこだわって作っているので、基本的には満足度が高い一足になるでしょう。
