ファッションを仕事にしていた期間が長いこともあり、よく、「どういったファッション着ればいいの?」と言われます。
メンズファッションにも流行はありますが、レディースに比べると定番品が多いですよね。そして、定番品ほど、お得に手に入れたいと思うのがメンズ心。
いよいよ冬が本格化してきましたね。冬と言えば、日本にいる以上、アウターを抑えておくべきでしょう。というわけで、今回は、メンズが持つべき、4つの「アウター・コート」について、少し解説したいと思います。コートはある程度の値段を着たほうがいい理由、どういうコートを着るべきかなど、これを読めば、(具体的なコートの銘柄はともかく)、自分が冬にどういうコートを持っていればいいかがわかります。
この記事を読んでほしい人
- オシャレには無頓着だけど、清潔感や小綺麗さを求める大人の人
- 30歳すぎて、今までの洋服は似合わなくなったな…と感じているおじさん
- とにかくコスパがいい名品を知りたい、というおじさん
コートは少し高くても、いいものを買ったほうがいい理由とは?
僕自身、そこまで高い服ばかり着ているわけではありません。(ちなみに休日はコート以外だと全身で1万円しない日もあります。笑)ただ、コートについては、そこそこ高いものを持っています。逆に言うと、メンズのコートで、「安いけれどこれを着ていれば間違いない」というものは存在しません。その理由を解説します。
コートはある程度値段と機能が比例する
主な理由の1つに、コートは値段と機能がある程度比例する、というのがあります。1万円のコートと5万円のコートであれば、機能が10倍以上違う場合もあります。(とはいっても、10万のコートと50万のコートで5倍の機能の差があるか、といえばないのですが。)
たとえばウールとカシミヤの場合、圧倒的に高いのもあったかいのもカシミヤです。ゴアテックスとそうでない素材の場合、突然の雨に対する耐性が全く異なります。そういった意味でも、価値があるコートというのは、それだけで値段がある程度するのです。(ユニクロのウルトラライトダウンは1枚だと真冬耐えられないレベルで、インナーダウンとしては優秀です。これはもうダウンの量とかが限界なんですよね。)
コートは1着で雰囲気がすべて決まる。
コート・アウターは1着が身体に占める部分がかなり大きくなっています。そのため、コート1着で、全身のスタイリングが決まってしまいます。
ただ安いだけでなく、それなりに丁寧でかっこいい、清潔なおじさんを目指すなら、コート選びは大事です。極論、中が裸でも、コート着たらわからないです。面積が大きい分、コートはある程度気を使っていきましょう。
メンズ服の歴史から学ぶ、大人が持っておくべきコート4タイプとは?
では、大人は、コートをいくつ、どういったものを持てばよいのでしょうか。答えは、「3着ないしは4着です。」そして、どういったものを選べばよいのかを、これから解説していきましょう。
コートを複数着持つべき理由とは?
まず、コートは1着じゃダメなのか、なんで複数枚持つべきなのか。答えは単純です。
洗えないコートを毎日着るな。傷むぞ。
以上です。(笑)
洗濯しても洋服は傷みますが、手入れをしないと傷むペースが速くなります。かつ、毎日着ると、その分洋服というのは傷みが早くなります。つまり、洗えないコートを毎日着るのは、洋服を傷めつけていることに等しいのです。
これを防ぐ一番簡単な方法は、ローテーションで洋服を着ることです。個人的な意見ですが、コートは4着、最低でも3着は持っておきたいですね。
歴史で見る、メンズウェアの4つのタイプとは?
では、いい大人のおじさん(30代)は、どういったタイプのアウターを持てばいいのでしょうか。それを知るために、少し歴史から解説しましょう。
そもそも、メンズの服は、4パターンしかルーツを持たないのです。このパターンの少なさが、メンズファッションをシンプルにしている一方で、難しくしている一つのものでもあります。メンズ服の形は、レディースに比べると、半分、いや1/4もないのではないでしょうか。
その4つのルーツは、「フォーマル」「ワーク」「スポーツ」「ミリタリー」です。つまり、メンズウェアは、どれをとっても、もともとがフォーマルウェアか、ワークウェア(つまり、ユニフォーム)、スポーツウェア、軍服のどれかなのです。
たとえばデニムはワークウェアですし、スーツはフォーマルですね。そしてカーゴパンツはミリタリーに由来があります。この知識がベースにあるだけで、大きく服の選び方、コーディネートの仕方が体系化されてくるのです。
ルーツ別、メンズの4つのアウターとは?
個人的には、このルーツで、それぞれ1つは服を持っていることをお勧めします。そうすることで、いろいろなシーンで、コーディネートがしやすくなるからです。というわけで、それぞれのルーツごとのアウターを紹介しましょう。
フォーマル:チェスターフィールド、バルマカーンコート
まずはフォーマルから。フォーマルのコートは1つは必ず押さえておきたいですね。なぜなら冠婚葬祭にはフォーマルしか基本許されないからです。ダウンを着て結婚式に行くな、ということです。
フォーマルで言えばチェスターフィールドやバルマカーンがお勧めです。おじさんになってくると、細身のチェスターよりバルマカーンのほうが合わせやすい、というのが僕の感覚です。バルマカーンのほうがあったかいし。
チェスターだとスーツメーカのものが作りがいいですね。ラルディーニのようなイタリアブランドのほうが肩回りが楽でいいです。
バルマカーンはあまりAmazonにはないようです。セレクトショップ等いけばたくさん置いていますよ。あくまで形のイメージとして載せておきます。
スポーツ:ダウン、マウンテンパーカー
スポーツはダウンコート、マウンテンパーカーあたりが定番でいいですよね。(ベンチコートという手もありますが、ちょっと上級者向けです。)カジュアルシーンに1つ持っておくと便利ですね。
ノースフェイスのマウンテンダウンは名作です。私も愛用しています。
ヘルノのダウンはダウンの中でもかなり洗練されています。ヘルノはもともとレインコートメーカーでした。これは昔私が着ていたモデルですね。何年たってもデザインの本質が変わらないのがメンズのいいところです。
ワーク:ダッフルコート、カバーオール
ワークについては、個人的にはパスしてもよいように思えますが、カジュアルな雰囲気(でもラフになりすぎない)場合はチョイスとしてよいと思います。
ロンドントラディションのダッフルコートは男女ともに名作ですね。昔ながらの、なので重い、などのデメリットもありまうが、メルトンの生地感は結構好きです。
カバーオールタイプで有名なのはラベンハムですね。僕はキルティングをスーツに合わせるのはあまり好きではありませんが、なぜか日本のサラリーマンは合わせている人が多いですね。なんなんでしょうかあれ。
ミリタリー:ピーコート、トレンチコート
ミリタリーは固いイメージもあり、比較的ビジネスシーンとも相性がいいです。僕は着ていかないですが、結婚式の二次会くらいならギリギリありかもしれません。
トレンチコートといえばやっぱりバーバリーですね。トレンチはイギリス軍の制服です。ちなみに真冬にトレンチ1枚だとめちゃくちゃ寒いです。
ピーコートはイギリス海軍の制服です。ピーコートといえば有名なブランドはSEALUPというイタリアのブランドですが、アマゾンには取り扱いがありませんでした。安いピーコートは縫製がぐちゃぐちゃなものも多いので気をつけましょう。
大人ならコートは複数持って、使い分けよう
これ以外にも様々なコートがありますが、基本的には上記の形から3~4種類選んで持っておけば十分じゃないかと思います。
コートが1つだと傷みも早いし、ワンパターンで汚くみられるのでおすすめしません。数万円程度のコートを3~4着買って着まわしましょう。ここはお金をかけるところです。ダウンで結婚式に行くな。
それではごきげんよう。