投資において、「コツコツ投資」こそ正義、だという風潮がまかり通っています。事実、いろんな人が、「コツコツ投資をして資産を築きましょう」と言っています。
ただ、これは本当に正しいのか、今まで考えたことがありますか?
今回は、投資の観点から、ウサギとカメについて学びたいと思います。
ウサギとカメ、のあらまし
まずは、寓話のウサギとカメ、のあらすじをおさらいしましょう。以下Wikipediaより抜粋です。
ある時、ウサギに歩みの鈍さをバカにされたカメは、山のふもとまでかけっこの勝負を挑んだ。かけっこを始めると予想通りウサギはどんどん先へ行き、とうとうカメが見えなくなってしまった。ウサギは少しカメを待とうと余裕綽々で居眠りを始めた。その間にカメは着実に進み、ウサギが目を覚ましたとき見たものは、山のふもとのゴールで大喜びをするカメの姿であった。
出所:wikipedia
このストーリーは多くの人が知っていますよね。これを「コツコツゆっくり進むのが良い」と学び、その投資スタイルを推奨しようとしているのです。
我々がウサギとカメから学ぶべきこと
このエピソードでは、カメ側の努力ばかりが取り座されていますが、本来学ぶのは、ウサギの怠惰さでしょう。我々としては、以下のように考えるべきです。
- ウサギはゴールの手前で寝てしまった
ウサギの失敗はそれだけです。間違えた道を走ったわけでもなければ、スタートしなかったわけでもありません。投資でいえば、1億円を貯めたいのに、8000万円貯めたところで、家賃300万円のタワマンに住んだようなものです。
実際の投資では、どういう間違いが起こるのか
実際の投資は、ウサギのように油断した、というケースはまれです。では、どういう間違いがよく起こるのでしょうか。
そもそもゴールまで遠回りな道を選んでしまう
よくあるのが、ゴールまで遠回りな道を選んでしまう、ということです。以下のような発言に心当たりがある人も多いのではないでしょうか…
投資信託やETFが安定だってわかってるけど…もう少しリターン欲しいから…個別株でもしようかな…でも個別株よくわからないな…
個別株を始めることは別に悪くはありませんし、おおむね方向性は間違えていません。しかし、あまり株のことをわからないで個別株を始めると、株が下がったときに、どうしたらいいかわからなくなることが多くなる、という人が多いようです。
結果、別の株に乗り換えたり、下手にナンピンしたり、損切りしてしまい、「インデックス投資」にしておけばよかった…と後悔している人が多い印象です。実際、私もそうでした(苦笑)
ここでは、「リターンを追うあまり、逆にリターンが低くなる投資を選んでしまった」ことが間違いになったのです
ゴール直前の「重荷」を理解していない
私は、本ブログを通じて、よく、「ゴール直前は極力リスクを減らすべきだ」と語っています。
たとえばゴールを1億円だとしましょう。その場合、1%のマイナスでも100万円のマイナスになります。仮に今のあなたの資産が500万円だとしたら、約20%が1日で動く可能性もあるのです。(というか、500万円だと1日で吹っ飛ぶ可能性もあります。)
もちろんこの覚悟ができているのであれば、鳥越苦労ではありますが、多くの人は、収入がなくなった後の暴落について、配慮が足りないものです。これも大きな間違いであると言えるでしょう。
>>>ゴールの時にリスクを軽くすべき、という考え方の詳細は、こちらをご覧ください。
投資で、「賢いウサギ」になるためには
結局のところ、投資において(というか人生において)最も成功するのは賢いウサギになります。油断さえしなければ、最短にゴールに辿り着けるのですから。
我々はカメのように後半にリスクを負うのではなく、ゴールまでを最短距離で突っ走り、ゴール後はウサギのようにのんびり暮らすべきなのです。
では、投資における、「賢いウサギ」とは一体なんなのでしょうか。
ゴールまでの「正しい道筋」を選ぶ
まず1つ目は、「ゴールまでの正しい道筋を選ぶこと」です。これは、「正しい投資の方向性」つまり、安定してリターンが取れる投資が何か、という話になります。
もちろん仮想通貨が未来永劫成長し続けるというのであれば、仮想通貨が正しい方向性かもしれませんし、高配当を出す銘柄が仮にSP500を大幅に上回るリターンを継続的に出すのであれば、配当投資は間違いではありません。
ただ、それでもなお、僕はS&P500、または全世界株は、比較的投資においては正しい道、だと思っています。仮想通貨は歴史が短いですし、過去の歴史を見て、高配当株のリターンがインデックスを上回るといった事実はありません。
ここでは、いろんな方面から検討して、より正しいと思われる道筋を選ぶのが良いでしょう。
>>>高配当をお勧めしない理由はこちらで紹介しています。
>>>もし自分がどのETFを選べばいいかわからない、と言う人はこちらから選んでみてはいかがでしょう
最短距離で突き進む
次に、正しいと思った道を、最短距離で突き進むことです。カメのようにのんびり、後半にリスクを乗せることをお勧めしません。適切なレバレッジを掛けることは、投資においては非常に有効です。S&P500であればSPXL、QQQであればTQQQなどに投資をすることで、レバレッジを掛けることが可能になります。
>>>レバレッジは怖いETFだ、扱い方がわからないという人はこちらをご覧ください
後半になればなるほど慎重に
とはいえ、資産形成の後半では、リスクを軽くすべきです。上記でも述べましたが、投資というのは、一般的に、資産額が大きくなればなるほどリスクも大きくなるからです。我々は、前半は勢いよく、そして後半は慎重に、投資を行うべきでしょう。
後半になればなるほど、自分のETFを過信せず、リスクを恐れなければなりません。カメのように、同じペースで進むのは、リスクを増大させていることに他ならないのです。
>>>リスクに関する心構えはこちらで確認
まとめ:僕たちは「賢いウサギ」として投資をしよう
ウサギとカメの寓話では、最後にカメが勝ちました。しかし、投資においては、賢いウサギこそが、最も有利に投資を勧めることができるのです。我々は、知識をきちんと身に着け、できるだけ「賢いウサギ」としてふるまいたいですね。
実は、ウサギとカメには、もう1つ、あまり知られていない寓話があります。それは以下の通りです。
ウサギとカメが駆けっこをすることになる。しかし、カメはウサギが走る道ではなく、そばの藪の中を走ると主張する。ウサギはこれを了承する。さて、翌日スタート地点にウサギが来ると、そこにカメが待っているが、実はこれはカメの妻であった。ウサギにはその見分けがつかない。実はカメは家族に指示して、コースの要所要所に彼らを隠れさせ、ウサギが声をかけたら返事するようにしておき、自分はあらかじめゴール地点付近に隠れたのである。スタートするなりウサギは道を走り出す。カメの奥さんは藪に潜り込み、そのまま家にかえってしまう。ウサギがしばらく走って「カメさん、どんな具合だ」と声をかけると、そのたびにカメの家族の誰かが「汗水垂らして走っているよ」などと返事をする。はじめは先行していることを喜んでいたウサギも、いつまでたっても引き離せないのでいらだち、やっとゴールにたどり着くと、すでにカメが待っていた、という話である。
出所:Wikipedia
こちらでは、カメがウサギを騙して勝利する、という話です。実は、「ウサギとカメならカメが良いよ」という人達は、あなたを騙そうとしている人かもしれません。
投資においても、あなたを巧妙にだまそうとする人は多くいます。まずは自分で正しい知識を身につけ、だまされない、「賢いウサギ」として、投資に取り組んでいきましょう。